calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< April 2017 >>

Profile

hagacube
管理人:hagacube
このブログでは、劇場公開時に観た映画、DVD、オンデマンド動画などの映像作品を中心に、音楽の新譜/旧譜、スポーツなどエンターテインメント全般について、複数ライターが極私的な見解を書いています。
◆Twitterはこちら⇒ hagacubeをフォローしましょう

selected entries

categories

archives

Ranking

        

recent comment

recent trackback

すいかエンタ!について。

記事にはネタバレを含むものもありますので、未見の作品や各スポーツなどについて、先に結果などを知りたくない方はご注意ください。

当ブログの運営はSuika Cube Inc.が行っています。
■自由な発想でデジタルコンテンツをプロデュース | Suika Cube Inc.

脳男

脳男

原作は未読。劇場予告だけみた状態で鑑賞。

予告ではけっこう面白そうだったので、それなりの期待はもっていたのだが、予告を超えない出来というか、はっきり言って映画としては酷い出来の作品だった。

脳というデータベースには膨大な情報が瞬時に記憶されるが自発行動が一切できない、という障害を持つ子どもが殺戮マシーンとして育てられ、極端に偏向した正義というプログラムを遂行するというストーリー。これ自体はとても面白いと思う。

主演の生田斗真は動きやビジュアル面も含めて独特の個性を発揮していたし、撮影も日本での限界によく挑戦していて西部警察並みには爆破シーンなども頑張っていた。

しかし映画としての詰めがとことん甘くて、どうしても作品に入り込めない。魂は細部に宿るというが、まさに細部が適当で薄っぺらいために、本筋の良さが根こそぎ失われてしまった。

冒頭のバス爆破のシーンから酷い。松雪泰子がタクシーの屋根越しに爆破を見て被害者の子どもに駆け寄るというシーケンスだが、バスの扉が閉まって乗り損ねたおかげで運良く爆破に巻き込まれなかった、という流れが雑すぎ。

まず、バスは出発前に乗客が駆けよればドア開けるよ電車じゃないんだから。まあいいや、で、爆破で死ぬ子どもたちが窓から松雪泰子を小馬鹿にするのだが、これがもう”僕たち死にますよ”フラグがあざとすぎて冷めることこのうえなし。まあいいや、で、ものすごい土砂降りのなか全身びしょ濡れ(つーかもうプールに飛び込んだぐらいの濡れっぷり)になりながらタクシーに乗り込むんだけど、こんな雨の中、駅のタクシー乗り場から乗れよ、しかもこんな雨の中あんな場所で客待ちしてるタクシーなんかいないっつーの、そもそもあんなに濡れてまでタクシーに乗るか?少し待つだろ。まあいいや、で、案の定バス爆破が起こって子どもが燃えながらふらふら歩いてくるのを抱きしめて『だれか救急車をー!』って何度も叫ぶ、セカチューみたいに。もうこういう描写飽き飽きしてるし、ヒロイン気取ってないで自分の携帯で救急車呼べよ、そのほうがずっと早いだろ…。

冒頭のワンシーンで、こんなに何度もため息をつきながら”まあいいや”と思わなければならない作品ってなかなかないと思う。

こういう描写が最初から最後まで、とことん細部にわたって繰り広げられる。会話シーンで相手が言い淀んでもいないうちに「続けて」とやけに性急なテンポでつなぐかと思えば、逆に脳男の過去を語るシーンではダラダラと眠気をもよおすほど退屈な編集になってるし、全部取り上げてたらキリがないほど、とにかく細部への気配りが圧倒的に不足している。

それと俳優陣も酷い。常々思っているのだが江口洋介という役者は自分の演技プランを組み立てるとか、監督と役柄や台詞について話し合うとかあるのだろうか?「志村うしろ〜!」じゃないんだから、「黒田は凄いんだ」「黒田はな」「黒田って男はな」ってもうギャグだろ。黒田これから死にまーすって何回宣言すれば気が済むんだよ。普通なら監督に「これおかしくないすか?」とか進言するだろ。そんなことも言えないならテレビタレントだけやっとけ、と言いたい。

松雪泰子はどうせいつもの松雪泰子だろうと思ってたから期待もしてなかったが、それにしても夏八木勲、石橋蓮司、二階堂ふみ、染谷将太らも全員類型的すぎて最低の仕事っぷりだった。ほんと幻滅した。

しかし、シーンの組立も編集も俳優の演技も最低ということは、やはり監督の手腕が最低だということだ。職人的な瀧本智行監督にしてこの浮ついた仕事ぶりはなんなのだろうか?手堅い仕事が個性だったのに派手で新しいことを望まれて苦し紛れにやってみたら全然出来なくて超絶ダサい仕上がりになってしまったってことなのか?

結局、すべてのシーンについて、ある結果を見せたい、あるカットを見せたいばかりで、投手で言えば「球を置きに行く」ような演出ばかりになってしまったように思う。観客側に筋立てを追う楽しみが全くなく、予定調和の結果だけを提示されるのは、いくら映画好きでも退屈極まりない。

テレビ局が製作について予算も大きくなった時点で、瀧本監督が自由にやれる環境はなくなってたのかもしれない。そう思うことにして溜飲を下げよう。

<Raiting>
生田斗真の良さがすべて出し切れなかったのが惜しまれるし、染谷将太&二階堂ふみコンビも無駄遣いになってしまった。監督取っ替えてシナリオをもっとコンパクトにしただけで、今の100倍くらい良い作品になると思う。話そのものは面白いと思うし続編への期待感はある。

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック