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このブログでは、劇場公開時に観た映画、DVD、オンデマンド動画などの映像作品を中心に、音楽の新譜/旧譜、スポーツなどエンターテインメント全般について、複数ライターが極私的な見解を書いています。
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桐島、部活やめるってよ

桐島、部活やめるってよ

同じ時間を視点を変えて繰り返しなぞる複数視点の映画は数あるが、その手法の面白さに頼らない緻密な構成が映画全体に行き渡っていて、類型的でありながら恐ろしいほどリアルな描写の積み重ねにより奇跡の一本に仕上がった。

学内ヒエラルキーのトップにある桐島が突然消えたという事象を、登場人物のそれぞれの立ち位置から繰り返し眺めることで、『自分はいったいどういう人間なのか?』という漠然とした自我を揺さぶりながら物語を推進していく吉田大八監督の手腕は冴えに冴えている。

どの登場人物に感情移入するかということで作品の楽しみ方も鑑賞者の数だけ多様にあるわけだが、観客が作品に没頭するのを全く妨げない若い役者たちの卓越したリアルな演技が凄い。神木隆之介や橋本愛、東出昌大はもちろん、元おはガールの松岡茉優、野球部のキャプテンまで、役と一体化した素晴らしい演技を見せてくれる。

しかし中・高校生活って考えてみれば残酷だ。まだ人格形成も不十分で頼るべき力強い自我もあやふやな時期に、大人でも耐えられないような不躾な対人関係に放り込まれ、出来る出来ないという明確な差にむりやり直面させられ、死ぬほど傷つきながら毎日毎日暮らすのだ。その点、大人は自分の環境を選択できるだけでも彼らよりずっと楽だ。

吉田監督は瑞々しい出演陣とともに、桐島という軸を失って右往左往し恐怖にも近い自我の崩壊にさらされる面々と、やりたいことに没頭し桐島の存在など一顧だにしない前田の厳然とした対比を、クライマックスで見事なカタルシスに昇華した。

そして野球部のキャプテンと大後寿々花演じる吹奏楽部キャプテンの清廉ともいえる自分自身に対する決着の付け方が、ラストシーンの宏樹の心の揺れをさらに大きな感動へと導いた。

<Raiting>
本作や苦役列車のような良作が興行成績で苦戦するのを見るのはつらい。本作はマジで掛け値なしの大傑作!こんな邦画にはなかなか出会えない!

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