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このブログでは、劇場公開時に観た映画、DVD、オンデマンド動画などの映像作品を中心に、音楽の新譜/旧譜、スポーツなどエンターテインメント全般について、複数ライターが極私的な見解を書いています。
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TIME/タイム(In Time)

TIME/タイム

傑作キタコレ! いやー、面白い映画だった。国内外での評判がそれほどよくないのは知っていたが、個人的には強烈にツボにはまった。

まず、ジャスティン・ティンバーレイクの頭の形がいい。これほど完璧なボウズ頭はなかなかお目にかかれない。

街の風景がいい。近未来の話なのだが、スラムゾーンでタイムキーパーが主人公を追い込む雰囲気はまるで『アンタッチャブル』のような風情がある。

クルマが超カッコいい。「造形がイマイチ」とかいってる人も多いが、このカッコよさがわからんとは実にもったいない。タクシーはばっちりスムージングされたリンカーン! タイムキーパーのパトカーはマットブラックのダッジ・チャレンジャー! これ以上ないワルカスタムされたアメリカンビンテージカーに悶絶! しかも主人公ウィル・サラスがチョイスしたのがジャガーEタイプ。なにこのツルッツルのボデ〜〜〜! 音も最高! こいつらがパワースライドかましながらストリートを走りまわるんだぞー! クルマ好きならこれだけでDVDを買う理由がある。

アマンダ・サイフリッドがいい。フレームに収まっているだけで間が持つ超キュートさは異常なレベル。こういう女優はなかなか現れない。

兌換紙幣ではなく兌換時間。このアイデアだけでもう十分面白い! アンドリュー・ニコル監督が『ガタカ』での問題提起を改めて再確認し発展させているテーマ設定も素晴らしい!

欠点は山ほどある。「矛盾点が多い」「深みがない」「これでなにか解決したつもりか?」と言われればそのとおり。アイデアが持つ無限の可能性をたいして掘り下げもせず、「完璧な構図でラストをまとめて一丁あがり、ほらスタイリッシュでしょ?」という軽薄感もたしかにあるっちゃある。しかしそういう欠点と作品の面白さは別。面白ければ欠点なんていくらあってもかまわない。

映画の冒頭でスクリーンにタイトルが出ると、おっ?と思う。原題は『In Time』。時間のお話だから単純に『TIME/タイム』なのではなく、「時間内に」、つまり「間に合うかどうか」が主題だと分かる。

母親の時間切れに”間に合わず”、その悲しみと怒りから、この世を司るシステムに反旗を翻したウィル・サラスが、愛するシルヴィア・ワイスの時間切れを救うに至るまで、とにかく「間に合うかどうか」の積み重ねで物語が構築されてる。

すこし真面目に考えれば、膨大な時間を手に入れた者は時間を獲得する手段としての労働を放棄するわけだから、だれもがなにも生産しない社会になるということだ。金(時間)はあっても買うものがない超ウルトラハイパーインフレだ。そんな社会はあっという間に崩壊するだろう。

社会の不公平さが社会を動かす原動力であり、エントロピーが発生しなければ社会は動きを止め死に至る。つまり社会すべての人間が働かなくても良いほどのお金持ちになることは許されないということだ。そのために現代社会は不公平な世の中の入り口に(建前であっても)「機会均等」という公平さを設置し不満の受け皿としている。「ダメなのはダメなお前の責任だ」というわけだ。

しかし本当の公平さは「人はみな死ぬ」というごくごくあたり前の事実なのだ、ということを本作は突きつけてくる。金持ちは死なず貧乏人は死ぬ、ということでは、もはや不公平感を押し殺すことは不可能だ。

本作の主人公たちの行動を単なるボニー&クライド気取りのアホで、「時間をいくらばら撒いたってなにも解決しないじゃないか」と批判するのは勝手だ。だが、かれらはそのことを社会に気づかせるために行動していると捉えれば、実はこれが唯一効果的なやり方だと気付くはずだ。

ウィルとシルヴィアは、時間を盗んではばら撒く義賊として単純に喜んで行動しているのではなく、体制の崩壊のためのテロを行なっている最中なのだ。貧者に富裕層と同じ富を与えることで一度社会を崩壊させる。そうしなければ強固な社会システムを変えられるわけがない。本作は序章であり、これから長い戦いが続くのである!と、そう考えれば、なかなか奥深い作品じゃないか?!

しかし、その後に成立する社会システムとはいったいどんなものなのだろう。みんながそこそこ労働を分けあって、一様に同じ程度の財産を有する社会が、壮大な実験の結果崩壊したことをすでに知っている我々が、今度は資本主義社会の崩壊の崖っぷちに立たされている。もし本作に続編があるなら、今度はとてつもなく面白く新しい社会システムのアイデアを提示してほしいと思う。

<Raiting>
アイデアがシンプルで、編集のテンポがすこぶるよく、登場人物のキャラが立っていて、俳優陣の造作が見事で、カーチェイスやガンプレイがかっこよく、ストーリーに躊躇がなく、ラストまで一気に突き進む推進力も十分。ジャスティン・ティンバーレイクがイケ好かない、という人以外は楽しく鑑賞できるはず。世界観を含めて久々に全てが好ましい作品。


<Trailer>


あー
テーマ:映画館で観た映画
TIME/タイム@ぴあ映画生活


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