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このブログでは、劇場公開時に観た映画、DVD、オンデマンド動画などの映像作品を中心に、音楽の新譜/旧譜、スポーツなどエンターテインメント全般について、複数ライターが極私的な見解を書いています。
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J・エドガー(J. Edgar)

J・エドガー

FBI初代長官ジョン・エドガー・フーヴァーの足跡を彼の記憶をたどる形で描いたクリント・イーストウッド監督作品。

FBIという組織、J・エドガーという人物、どちらをとっても日本人には馴染みが薄いので、モーホーでマザコンだったという設定も、さほど興味が湧かないというか、ほとんどどうでもいいのだが、映像が訴えかけてくるアメリカという国の複雑さ(もしくは呆れるほどの単純さ)は伝わってきた。

内容はさておき、俳優たちの演技は素晴らしい。ディカプリオは役者魂全開でJ・エドガーの長い生涯を演じきった。老けメイクは精巧で忠実なだけにブサイクすぎて賛否両論か。ナオミ・ワッツの抑制の効いた演技も良かった。

ディカプリオは惜しくもアカデミー賞から落ちてしまった。ブラピやジョージ・クルーニーが天賦の才と抜群のルックスで飄々と役者人生を歩んでいる(ように見える)のに比べて、苦しみながらも熱のこもった演技で丁寧に1作ずつ仕上げているディカプリオ。このままキャリアを積み上げていけば、きっといつか最高の名誉を得られるだろうと思いたい。

俳優たちの頑張りや彩度を落とした重厚な映像に助けられてはいるものの、内容はいまひとつ面白くない。老境に差し掛かったJ・エドガーの回想により物語が進行するのだが、過去から過去へと潜っていく構造は複雑だ。これほど面倒な構造をすっきりとまとめたイーストウッド監督の力量は凄まじいが、話が進むに従ってどんどん退屈になっていく。『ミリオンダラー・ベイビー』も同様だが、前半の「お、これは面白いんじゃないか!?」というテンポの良い流れに対して、内面を描く後半は重苦しさが増していき、全体としてカタルシスの薄い仕上がりになっている。

さて秘書のヘレン・ギャンディの謎について。最後までミスと呼ばれていることからみてもたぶん彼女はレズなのだろうと想像するのだが、結局彼女がレズだったのかどうか作中では語られない。でもたぶんそういう設定なのだろうと思い、いろいろとググッてみてもやはりよく分からない。なので、なぜJ・エドガーの秘書という役割に人生を捧げたのか、なぜこれほど献身的だったのか、その謎は分からないままだ。プロポーズを断ってるんだから男女の愛ではないことだけは確かだが…。

そもそもJ・エドガーとトルソン副長官の関係だって事実かどうか分からない。作中の回想もトルソンによれば嘘ばかり。虚偽と真実が入れ子のようになっていて、それなりに解釈するためには戦後のアメリカ史の知識がないと厳しい。「リンドバーグ愛児誘拐事件を解決した!」といわれても、正直ピンとこないし…。まあイーストウッド監督は確固たる政治哲学を持つだけに、J・エドガーの姿を通じて俯瞰する米政治の歴史に対し、いろいろと主義主張もあるのだろうし、描きたかったこともあるのだろう。

唯一理解できるのは、この作品はトルソンが見た、もしくはトルソンから見えたJ・エドガーの人生であり、大統領を含む政治力学のあれやこれやを端折って、愛と孤独について描いた作品だということ。こっちは”あれやこれや”を観たかったのだが、人種差別や性差別、思想に対する偏見などがアメリカ史を揺り動かしてきたことを思えば、アメリカ人にとってはより興味深いテーマなのだろう。

<Raiting>
クリント・イーストウッド×ディカプリオ!という組み合わせに期待したが、内容があまりにドメスティックで置いてけぼりをくらったという感じ。


<trailer>


あー
テーマ:映画館で観た映画
J・エドガー@ぴあ映画生活


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