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このブログでは、劇場公開時に観た映画、DVD、オンデマンド動画などの映像作品を中心に、音楽の新譜/旧譜、スポーツなどエンターテインメント全般について、複数ライターが極私的な見解を書いています。
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恋の罪



園子温監督が東電OL殺人事件にインスパイアされて制作された本作。一応水野美紀が刑事役として主演しているが、真犯人探しや謎解きサスペンスの要素はほとんどなく、登場人物すべてがSEXというものにどう関わりどう囚われていくかを、園監督独自のエログロ感全開で描いた怪作だ。

水野美紀のヘアーヌードを含めた体当たりの演技も話題だが、なんといっても被害者となる大学助教授役の富樫真の演技がハンパない。貞淑そうな助教授から一転、妖艶で怪しすぎる娼婦までをシームレスに演じるさまは、これ観るだけでも金を払った価値があるほどぶっ飛んでる。

また助教授の母親役の大方斐紗子やデリヘル店長役の小林竜樹も奇妙でねじくれた役柄を好演しているし、常連の神楽坂恵や津田寛治のド変態っぷりも素晴らしい。

期待してなかっただけに驚いたのはアンジャッシュ児島。これほど空疎で乾いた感じを出せるのはこの人しかいないんじゃないか?!と思うほどハマっていた。誰にでも何かしら秀でた才能ってあるもんだ。

東電OL殺人事件をモチーフにしているものの、円山町という場所やエリート女性の売春などのプロットを拝借しているだけで、情欲に向きあう三者三様の自己内面へのアプローチや娘殺しに至るどす黒い情念など、オリジナルな内容となっている。

女性が現状をよしとせず沸々とした不満や抑圧を開放させるべく性というものにのめり込んでいくとき、どのような種類のエクスタシーが得られるか、正直男であるこっちとしては想像の域をでないのだが、とりあえず『私はどこにいて何をやっているんだろう』と虚脱する自己に立ち会う水野美紀と漁村の寂れた繁華街でからだを売る神楽坂恵の人生は、遠いようでいて本質的には同じなのだろう。

何に(誰に)調教されるかではなく調教されている状態そのものが逆に自分を解放する術となるという意味では、必死に自分探しをするより『自分探さない旅』こそがよりリアルな自分を浮かび上がらせるという矛盾した回答を提示されているようで、スクリーン内の破滅的なストーリーとは逆に、なかなかポジティブな物語だなと感じてしまった。

<Raiting>
さすがに万人向けとは言いがたいが、園子温の作風が好みであればぜひ映画館へ。エログロを欲しない人や耐性のない人は観る必要なし。そういう人が無理に観たところでたいして得るものもないような気がするし…。


<Trailer>



あー
テーマ:映画館で観た映画
恋の罪@ぴあ映画生活

評価:
---
アミューズソフトエンタテインメント
¥ 4,118
(2009-07-24)


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