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このブログでは、劇場公開時に観た映画、DVD、オンデマンド動画などの映像作品を中心に、音楽の新譜/旧譜、スポーツなどエンターテインメント全般について、複数ライターが極私的な見解を書いています。
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わたしを離さないで(Never Let Me Go)

わたしを離さないで

キャリー・マリガン、キーラ・ナイトレイ、アンドリュー・ガーフィールドという人気若手俳優3人の共演が話題を呼んでいる本作は、カズオ・イシグロの最高傑作といわれる同名のSF小説を映画化したもの。

予告編を含め「秘密」の解き明かしがメインのように宣伝されているが、実はその秘密こそが作品の舞台設定なので、ここを語らないと全体の感想が言えないのだが、まあ冒頭何分か観れば誰でもその設定の秘密には気づくと思うのであえてネタバレはやめておく。

ロマンティックな風景、寄宿舎の様子、厳格な教師の態度などなど、マーク・ロマネク監督の創りだす映像はとても美しく、それでいて不安を煽るような落ち着かない雰囲気もあり、こちらの感情を刺激する。

役者陣は期待通りに素晴らしく、キャリー・マリガンとアンドリュー・ガーフィールドは内向的な役どころをしっとりと、そしてとても瑞々しく演じている。

それ以上に凄いのはキーラ・ナイトレイ。これだけの人気と実績を残してきた女優でありながら、小劇場から飛び出してきたばかりの才気あふれる新人女優のごとく、まるで別人のような刮目する演技を披露している。

本作は、原作から恋愛に揺れ動く若者たちの心情部分を抽出し凝縮することで、普通はなかなか成立しづらい”抑制された感情が支配する若者たちの悲恋”という物語を完成させている。悲恋ものは古今東西さまざまあるわけだが、どんな舞台設定で悲恋を表現するか、ということがその作品の評価を決定づけてきた。本作はSF的プロットを使うことで、運命を淡々と受け入れながらも、生きている意味、生きることの価値を、主人公達一人ひとりが心の中に昇華していくさまを見事に描いている。

この設定じゃないと、若者たちはもっと怒りもっと激しく愛を求め合うだろう。そういった若者たちと実はまったく同量の感情を持ちながらも粛々と運命に従っていく主人公達の思いの深さが、ラストシーンにしみじみと表現されている。キャリー・マリガンの表情には愛するものを失った悲しさとともに、与えられた生を全うすることの充足感、生への喜びも表現されているように思う。

人間は誰もがある設定された枠の中で生きていて、それがたとえ不自由なものであったとしても、大部分の人間はそれを受け入れて毎日を過している。そしてその枠内で精一杯の自由を求め、葛藤し、泣いたり笑ったりしながら生きていくのだ、ということをSF的な環境設定でありながら現実の問題として再確認させてくれる作品だ。

<Raiting>
宣伝から受ける印象よりは地味な小品といった趣だが、原作を知っている人にもまた別な感動を与えてくれる良作。映像の詩的表現が素晴らしく、印象的な映像美を味わえる。


<Trailer>


あー
テーマ:映画館で観た映画
わたしを離さないで@ぴあ映画生活

評価:
---
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
¥ 1,276
(2011-01-26)


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