非選抜アイドル
国民的アイドルなどと言われるようになってしまったAKB48だが、その中身は格差社会と言われるようになった昨今の社会状況を反映し、有名なメンバー(=選抜)とそうでないものの格差は極端なくらいに存在する。
毎日のようにテレビに登場する選抜メンバーに対し、いわゆる「干され」と称される非選抜メンバーはテレビに映るだけでファンは大騒ぎ。いわゆるAKB特有の秋葉原での劇場公演でしかほとんど見ることはできない。ファンは常にその格差のあり方について議論し、「○○が運営に推されないのはおかしい!」などと盛り上がるなど格差そのものが売りになっている。
グループアイドルにある程度の格差は必然とは思うが、ここまでそれを強調し売りにしてきたグループは面白い。そうした中で話題にのぼることも少なく、AKBのファンさえ知らない可能性があるメンバーそれが『非選抜メンバー』だ。
本書は声優になりたかったのに偶然アイドルになった著者が、人気を獲得して選抜入りという道を向いてないと敢えて捨てて生き残り戦略を考える中で「公演の便利屋」「非選抜アイドル」というアイデンティティの確立に至るまでが淡々とした視点で書かれており、文章にも全くアイドル的な感じがないのが面白い(新書だし)。
またAKBの特異な考え方(例えば、容姿を重視しない採用姿勢や、アイドルとして完成しないことを重視するなど)にも触れられるという点で非常に興味深い。格差社会やネットによる多様化(ネットがなければ干されメンバーなどはその個性を知ってもらうこともできなかっただろう)などと合わせて、なぜ今という時代にAKBが流行ってしまったのか、などに興味のある人にもオススメ。
ふ
毎日のようにテレビに登場する選抜メンバーに対し、いわゆる「干され」と称される非選抜メンバーはテレビに映るだけでファンは大騒ぎ。いわゆるAKB特有の秋葉原での劇場公演でしかほとんど見ることはできない。ファンは常にその格差のあり方について議論し、「○○が運営に推されないのはおかしい!」などと盛り上がるなど格差そのものが売りになっている。
グループアイドルにある程度の格差は必然とは思うが、ここまでそれを強調し売りにしてきたグループは面白い。そうした中で話題にのぼることも少なく、AKBのファンさえ知らない可能性があるメンバーそれが『非選抜メンバー』だ。
本書は声優になりたかったのに偶然アイドルになった著者が、人気を獲得して選抜入りという道を向いてないと敢えて捨てて生き残り戦略を考える中で「公演の便利屋」「非選抜アイドル」というアイデンティティの確立に至るまでが淡々とした視点で書かれており、文章にも全くアイドル的な感じがないのが面白い(新書だし)。
またAKBの特異な考え方(例えば、容姿を重視しない採用姿勢や、アイドルとして完成しないことを重視するなど)にも触れられるという点で非常に興味深い。格差社会やネットによる多様化(ネットがなければ干されメンバーなどはその個性を知ってもらうこともできなかっただろう)などと合わせて、なぜ今という時代にAKBが流行ってしまったのか、などに興味のある人にもオススメ。
ふ
- 2012.04.23 Monday
- 書籍
- 04:18
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