劇場版SPEC 〜結(クローズ)〜
そろそろ上映も終わりかなと思って、劇場版SPEC 〜結〜の『漸ノ篇』と『爻ノ篇』を一気見してきた。
テレビドラマ版の放映時からずっと見てきたシリーズの完結編だけに数々の謎が解けて、積み残った矛盾やつじつまの合わないところは自己解釈で乗り切って、まあまあこれでよかったのかな、と思える作品だった。
”身近”なところで起こる”すごいこと”が、最終的にはなにやらとてつもなく大袈裟な話に(取ってつけたように)変化していくというのは、あの「少林少女」の悪夢を思わせたのだが、さすがに堤監督はレベルが違ったようで、SPECという作品の面白さの根幹を失わずに、巨大な風呂敷をなんとか畳んでくれたようだ。
戸田恵梨香をフェチ的に好きな身としては、何時間でも戸田恵梨香を眺めていればそれで満足なのだが、それにしても『爻ノ篇』はいくらなんでもやりすぎの感が…。お金をかけて大きなセットを組んだのはいいけど、だからといって上映時間の殆どをそのセットだけで、あとは延々とCG映像と長台詞が続くのには辟易した。
とはいえ、『ケイゾク』(1999年〜)を含めると15年に渡る物語をなんとかまとめあげたのは、軽薄で安易で糞みたいな作品が溢れかえる邦画の中では相当な偉業だと言える。
自分を犠牲にして無間地獄に落ちた当麻を唯一感知する瀬文というラストシーンは長い長い物語のラストシーンとしてはハッピーエンドだが、こちらとしては強烈にキュートな当麻というキャラクターにもう会えないのか…ということがとても寂しく感じられた瞬間でもあった。戸田恵梨香が今後の女優人生で当麻以上に魅力的な役柄を作り出せるかというと可能性は低いように思う。もちろん、そういう役をひとつでも手にできるという事自体、物凄い才能なんだけど。
<Raiting>
パラレルワールドを扱った過去作やマトリックスを始めとする傑作SF作品などの影響が大きく、プロット自体は古典的とさえ言えるようなものだったが、多彩な役者陣、戸田恵梨香&加瀬亮の黄金コンビ、鑑賞者の各キャラクターへの思い入れによって、SPECファンには納得の作品になったのではないだろうか。
- 2014.01.03 Friday
- 映画
- 22:05
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